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サワムラ式 ベイトフィネス・アプローチ「第三章」

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ベイトフィネスにおけるキャストのコツ

地道な練習とベストなタックルバランスが上達への近道。

小型・軽量ルアーを扱う「ベイトフィネス」のキャスティングでは
いままでベイトリールで扱っていた10g以上のルアーに比べれば、
キャストの難易度は(若干ですが)高くなります。
と言うのもルアーウェイトが軽くなるのでロッドにウェイトを乗せにくくなるからです。
そこで超軽量ルアーの使用を前提に開発されたトータルバランスに優れたタックルを使用することで、
どなたにも「楽だ!」という手応えを感じていただくことができるはずです。

★ベイトフィネスキャスティングの留意点。
キャスト時のロッドスイングで意識する事は
「しっかりとロッドにルアーの重さを乗せる」 ことです。
キャスト時に 『ピュッ』 っとロッドが空を切る音が強く(大きく)出る場合、
ロッドにルアーの重さが乗っていない証拠です。
特にスピニングでのキャスティングで、この空を切る音に留意してみて下さい。
分かりやすくご説明するとロッドの振り幅の少ない瞬間的なキャストをすると、
ロッドの曲がりだけが先行してルアーの重さが乗らず
大きく空を切る音を発生します。
ベイトタックルで同様のスイングをした場合、
キャスト直後にスプールがオーバーランしてすぐにバックラッシュしてしまいます。
バックラッシュを恐れて必要以上にブレーキを強くしてしまう
飛距離が伸びないと言う結果になってしまいます。

★ロッドにルアーの重さを乗せるコツ
初めは遠くに飛ばすことは考えず、
ゆっくり大きなスイングストロークで投げることからスタートです。
この時両手ではなく(グリップエンドは握らない/手を添えない)、
片手でスイングした方がロッドにルアーの重さが乗る感覚が判断しやすくなります。
使用するルアーはスモラバなど空気抵抗の強い物ではなく、
選択するルアーウェイトを若干重くして、ブレーキ調整は気持ち強くしておきます。
ただしメカニカルブレーキは締めてはダメです!
さらにロッドティップからルアーを垂らす長さを少し長め(30〜40cm)にしてキャストすることで、
より楽にロッドに重さを乗せる感覚が掴みやすくなります。
ロッドにルアーの重さがシッカリ乗っていれば
その段階でキャスト直後のバックラッシュはほぼ皆無になっているので、
徐々にスイングスピードを速くしながらも
大きなスイングストロークは忘れずに距離を伸して行くようにします。

実はこのロッドにルアーの重さをシッカリ乗せると言うことは、
「ベイトフィネス」でのキャスティングに限ったことではありません。
キャスティング全てに共通しスキルアップのカギとなるので、
常に意識しておいて頂ければ幸いです。

●サミングコントロール
KTFチューンドリールはブレーキ設定を強めにすることで、
フルキャスト時にサミングコントロールしなくても
バックラッシュを起さずキャスト出来るブレーキセッティングが可能です。
しかし超軽量ルアーを低弾道でピッチンしたり、より飛距離を求める場合には
ブレーキを徐々に弱めに設定変更して行きながら
絶妙なサミングでブレーキコントロールすることによって、
超軽量スプールのレスポンスを100%引き出すこと出来ます。

サミングのコツはルアーのウェイトが軽いので、通常のキャストやピッチンでは
極めて弱い力で (私は薄いサミングと称しています)、 ※イメージは軽〜く!
ラインが浮かない程度にスプールを抑えるようにコントロールすることです。
ただしスキッピンではフルキャストに近いスイングスピードと、
水面を跳ねる時のルアーの抵抗が生じるので、
シッカリとしたテンションでのサミングが必要です。

●ブレーキ設定
ブレーキ設定は、ロッドのスイングスピード、ルアーのウェイト、
ラインの太さ、糸巻き量、風向き&強さ等によって異なります。
サミングコントロールの技量によってもことなりますから、
ご自身が楽に投げられる設定値からトライすることです。

・マグネットブレーキモデル
 ピッチンの時とフルキャストとでは
 ブレーキの設定値を変える事が必須で、ピッチンの時にはラインが浮かないギリギリまで
 設定値を下げて薄いサミングコントロールをすることでイメージ通りの低弾道ピッチンが可能になります。
 フルキャストではブレーキ設定値を強くする必要がありますが、
 強すぎると飛距離低下に繋がりますので、サミングコントロールと共に
 ベストなブレーキ設定を行なって下さい。

・遠心ブレーキモデル
 サミングをしないキャストで若干ラインが浮く程度がベストセッティングと考えます。
 その若干浮くラインの分サミングでコントロールするブレーキブロック調整が、
 遠心モデルでベイトフィネスを行なう上で、最も楽で本来のスプールレスポンスを生かすセッティングです。

  
●飛距離を伸ばす為の「サミングコントロール」
ブレーキシステムによってサミングコントロールのタイミングとテンションは異なりますが、
飛距離優先の場合はブレーキは低めに設定することが絶対条件です。
マグネットブレーキのモデルではキャスト直後のサミングをシッカリ行い、
スプールの回転が落ちてくる中盤から徐々にサミングテンションを弱くします。
遠心ブレーキモデルはその逆でキャスト直後は弱く、中盤から
サミングを若干強くすることです。
どちらのモデルも基本のブレーキ設定が重要で弱すぎではラインが浮き、
強すぎでは飛距離が低下します。

・ストレス無く! ・気持ちよく! ・簡単に!
コレはバスフィッシングを快適に楽しむ上でとても重要なキーワードだと思います。
ここまでの文を読んで頂いて 「難し〜い」 と思われた方は多いかも知れません。
しかしトータルバランスの取れたタックルが、キャスト/操作を楽にしてくれる!
このタックルバランスの重要性もベイトフィネスタックルに限ったことではありません。
ですから常にあたまの隅において頂きたい事の一つであり、
それぞれ「コツ」をマスターし、キャスティングのスキルが高くなっていくことで、
ベイトタックルの方が楽にコントロール出来るんだ!
と言う事が必ずご理解頂けるはずです。
そしてその時点から本当に楽しい世界が広がって行くはずです。

ベイトフィネスはワーム・スモラバだけではありません。

今迄スピニングで扱っていたルアー全てが「ベイトフィネス」の守備範囲です。

「ベイトフィネスに最適なルアー」について考えてみたいと思います。
「ベイトフィネス」と聞いてワーム、スモールラバージグ系のスローなアプローチを思い浮かべる方が大半でしょう。
もちろん、ワーム/スモラバの釣りを「ベイトフィネス」化することからスタートする事が、
最もそのアドバンテージを体感できる近道であるのは間違いありません。
しかし、タックルの進化によって今まで通常スピニングタックルで使用してきた超軽量ルアー・リグの全てが
ベイトフィネスのストライクゾーンとなるのです。

・小型トップ (レッドペッパーベイビー、マイクロ、ベビーポッパー)
・小型ミノー (スナッピーペッパー、ビーフリーズ65)
・小型シャッド (マッドペッパーシャッド、ベビーシャッド、スーパースレッジ)
・小型クランク (ファットペッパーシャロータイニー、RC0.5、DTN)
・その他 (ステルスペッパー55/70、セイラミノーなど)

上記のような小型ハードルアーを、6〜10ポンド程度で、
ラインブレイクに臆することなく、より遠くに、手返し良く、早引きしたい(この場合は7.6ハイギヤ使用)
小型ハードルアーにも「ベイトフィネス」は絶大なアドバンテージを有するのです。

大切なのは使い分けること。

既存のスピニングにベイトフィネスを追加投入することで釣りの幅が広がる。

このようにフィネスフィッシングの世界を
大きく広げることができるベイトフィネスアプローチですが、
「ベイトフィネス『だけ』で全てのフィネスフィッシングがカバーできる訳ではない」ということもしっかりとご理解ください。
ラインに水圧のかかるディープウォーターゲームなど、
細いラインのメリットを100%発揮することの出来るシチュエーションでは、
優れたドラグ性能を持ったスピニングタックルが大活躍します。
ベイトフィネスアプローチとスピニングタックルとを
フィールドやシチュエーション、バスのコンディションなどに応じて賢く使い分けて頂くことで
フィネスフィッシングの「引き出し」は確実に広がり
今までには無い新しいバスフィッシングを楽しむことが出来ると思います。

全3章にわたって解説してきた「ベイトフィネスアプローチ講座」ですが、
お読みいただいていかがでしたでしょうか?
「ベイトフィネス」という新たな技術を導入することで、
そして、それを思いっきり楽しみながら身につけていくことで、
皆さんがスキルアップしていく一助になれば幸いに考えています。


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↓特集「ロッド編」12月30日アップしました。 特集ページ:ロッド編へ