サワムラ式 ベイトフィネス・アプローチ「第一章」
そもそも「フィネス」とはどんなアプローチ?
軽いルアーを用いタフなバスに「繊細・巧妙」にアプローチする事。
フィッシングプレッシャーの高くなる週末やトーナメント、真夏や冬、寒冷前線など様々な気象条件によってスローコンディションになったバス達に
口を使わせる事が極めて難しい状況に陥ることがあります。
そんなタフコンディションに対応するテクニックとして20年以上前に注目を浴びたのが
「フィネス」と呼ばれるアプローチで、
その後新しいリグやテクニックの登場で進化してきました。
ノーシンカー・ダウンショット・ネイルリグ・スモラバ・小型プラグ等々の超軽量ルアーを使い、
繊細・巧妙にナチュラルにアプローチするその効果は絶大で、スローなコンディション下においても
確実にバスをゲットするフィネスフィッシングスタイルは今でも不可欠なアプローチの一つです。
当時のフィネスフィッシングにおけるタックルでは、
軽いルアーを投げるためにスピニングリールが圧倒的に有利だったことから、
普及当初からベイトキャスティングリールはあまり使われず、いつの間にか
「フィネス」=「スピニング」のスタイルが定着し、発展してきました。
スピニングタックルの構造上のデメリット
スピニングの構造を知るとその限界が見えてきます。
軽いルアーを繊細に使うフィネスアプローチにおいてまさに万能とも思われるスピニングタックルですが、
スプールへのラインの巻き方向(角度)を、
ベイルローラによって横巻きに変換すると言う構造に起因する宿命的な弱点が存在します。
その構造的な弱点とは
●太いラインを使用した場合にトラブルの頻発と、ガイドとの抵抗によって極端に飛距離低下に繋がる。
→そのため、太いラインまで選択すると言うことの自由度が低く、
特に根ズレ強度に圧倒的に優れるフロロカーボンではラインそのものの硬さが顕著にデメリットと直結します。
●キャスト毎に行なうベイルの返し&戻し操作は手返し効率の点で大きなハンデとなる。
●静かな着水や正確なキャストコントロールは決して容易ではない。
→人差し指を使ったサミングコントロールが最大の要因で、
特に超軽量ルアーでは指に掛かる断続的なライン放出コントロールはとても繊細で、
練習を重ねてきた上級者でもかなり気を使う物です。
パワーフィネスについての考察
パワーフィネスの不自由さをなんとかしたい=「ベイトフィネス」の起源となったのです。
スローコンディション時にフィネスルアーでなければバイトしない状況下において、
カバー(障害物)の攻略でラインブレイクを避けるために少しでも太いラインを使いたい・・・
そこでスピニングにブレイドラインのシステムを組んだ「パワーフィネス」が登場し、
私自身実戦に取り入れトーナメントでも活躍してくれたのは間違いありません。
しかし手返し効率の悪さと、サミングコントロールのストレスを常に感じていました。
また、ブレイドラインは風の影響を受けやすく、
水切れが悪く、浮力が高いため水中での抵抗を強く受けることからディープウォーターには不向き。
さらにライン自体に全く伸びがないので ややこしいカバーであればある程ネガカリしやすく、
鉄杭やテトラ、溶岩などのハードストラクチャーでは擦れに非常に弱い為、
カバーのタイプが限定されるなど、決してストレスフリーなアプローチとは言えませんでした。
こうした背景からスピニングで扱うフィネスルアーを、
ラインセレクトに自由度のあるベイトタックルで出来ない物か?
ベイトフィネスの起源はそこからでした。
掛けたバスを絶対獲るには・・・
当初は全てがストレスだらけで、快適に使用出来るルアーウェイトやリグが
極めて限られていたのは容易に想像出来ると思います。
当時のバスフィッシングシーンにおいてベイトフィネス(この頃は未だナンチャッテでしたが)のアドバンテージが
絶対的であることを 後のTOP50トーナメントで見出すことが出来たその時から
ストレスフリーで実戦投入出来るタックルの開発をスタートし、
その後少しずつ確実に進化し続け現在のベイトフィネスシステムの確立に至っているのです。
第二章ではいよいよ
「ベイトフィネス」の核心に入っていきます。
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